『ジャコ・パストリアス』 [JAZZの愛聴盤]
(まあ、あんまりそんな人はいないと思うが) もしまだジャコを聴いたことがない、という方がいて、初めて聴くアルバムがこのアルバムだったら、その人はほんとうに幸せだと思う。
まず1曲め、チャーリー・パーカーの有名なオリジナル「ドナ・リー」で、もうのけぞってしまうだろう。
そしてその超絶技巧がだんだん耳に馴染んでくると、いつのまにか口を開けて笑っている自分に気がつくだろう。
そういう鮮烈で幸せな気分というのは、そう何度も体験できるものではない。
1976年にリリースされたこの1st ソロには、曲によってランディ&マイケルのブレッカー兄弟、アルトのデイヴィッド・サンボーン、フルートのヒューバート・ローズ、ウエイン・ショーター(ss)、ナラダ・マイケル・ウォルドン(ds)のウェザー・リポート組、サム&デイヴ(vo)、そしてほぼ全編にわたってハービー・ハンコック(p, key, Fender Rhoes)らが参加している。
そうした豪華なゲストに囲まれて、ジャコは驚くほどヴァラエティーに富んだ、さまざまの表情を見せる曲を演奏し、すばらしいベースを弾いている。
ベースのハーモニクスが全編を彩る「Portrait of Tracy」、ドン・バイアスのオコンコロ・イ・リアという民族楽器をフューチャーした「Okonkole y Trompa」、ハンコックのアコースティック・ピアノとヒューバートのピッコロが美しい「Used to Be A Cha-Cha」、ウェザー・リポートのバラードを思わせる「Continuum」など、多彩な音楽がスピーカーからこぼれ落ちる。
それにしても泥酔してナイト・クラブのガードマンに殴り殺されたのが1987年9月21日。
あれからもう20年も経つのだ。
ジョー・ザヴィヌルも亡くなったし、なんだか淋しい秋だ。
こんばんは
恥ずかしながら…
聴いたことないのです…
JONI MITCHELLの「SHADOWS & LIGHT」は聴きました。DVDも観ました。
でも違うんでしょうね?このアルバムとはやはり。
iTunes Storeで試聴しようとサーチしましたが、ありませんでした…
by bob (2007-10-07 00:30)
bobさん、どうもです。
そうですか!
それはぜひオススメです^^
ぼくは『SHADOWS & LIGHTS』のヴィデオ版、見たことないんですよ。
今度探してみま~す^^
by parlophone (2007-10-07 01:05)
☆ いつもは「記事を読みました」という意味でNice!を入れていますが,今回は内容に鑑みコメントとして残して生きます。それにしても,生き急ぐことはなかったと思うのは,あたしが「ただの凡人」だからなのでしょう。
by deacon_blue (2007-10-07 05:53)
おおっ、もう20年経つのですね。あのNewsにはびっくりしました。
『SHADOWS & LIGHTS』はLDで持っているのですが、プレイヤーがぶっ壊れているので、久しく観ておりません。CDはリマスター2枚組み(HDCD仕様)が音が良くていいです。
この時のバンドメンバーは、めまいがするほど素晴らしいです。
中山康樹さんの本に書いてありましたけど、ジャコは回りからの過度の期待に潰されてしまったのではないかと。私もそう思います。
by pink island (2007-10-07 07:13)
遼さん、ご無沙汰です。
拙にとっても懐かしいアルバムですね。最初は単なる超絶技巧の展覧会みたいな音を想像していましたが、さにあらず。これほど多彩で豊穣な音楽観を垣間見せてくれて、それでいながらしなやかさを持って聴く者の心に自然と入り込んでくるアルバムは稀有だと思います。
しかし、こういうアルバムのよさって、いわゆる純粋なロック世代にはなかなか理解されないような気がする。拙の年齢で30年以上音楽を聴いていてもジャズ嫌いは依然として多い。ジェフ・ベックは聴いてもその先はまるで関心なしみたいな。勿体ないと思います。ジャズの先のその果てにも素晴らしいアルバムはたくさんあるというのにね(笑)。
by 路傍の石 (2007-10-07 10:25)
いわゆるフュージョン系のジャズはほとんど素通りしたため、ちょっと興味がありながらもジャコ・パスは聴いてません(汗)。
「SHADOWS AND LIGHT」など、誰かのアルバムに参加したものは聴いたことありますけど、そんな程度ですね。
今度機会があれば是非聴いてみたいです、このアルバム。
by MASA (2007-10-07 10:40)
deacon_blueさん、いつもnice!&comment ありがとうございます。
>それにしても,生き急ぐことはなかったと思うのは,
>あたしが「ただの凡人」だからなのでしょう
そんなことはないと思いますが、同じように非業の死を遂げたミュージシャンでも、病死したエリック・ドルフィーやブッカー・リトル、自動車事故のクリフォード・ブラウンなんかはあまり思わないんですが、殺された?アルバート・アイラーやワーデル・グレイ、ジャコ、オーヴァー・ドーズのチャーリー・パーカーやバド・パウエルは「生き急いだ」って感じてしまいますね…。
by parlophone (2007-10-07 13:39)
pinkさん、どうもです。
>プレイヤーがぶっ壊れているので、久しく観ておりません
ぼくもLDプレイヤーの調子がよくなくて、見るのに苦労します(笑。
>ジャコは回りからの過度の期待に潰されてしまったのではないかと。
>私もそう思います
pinkさんのコメントを読んで思い出したんですが、レココレのノーマン・シーフの連載にジャコが出てきたことがありましたよね。
ジャコはとても素晴らしい人だったのに、ビールを1杯飲んだだけで、まったく人格が変わって、それからフォト・セッションが続けられなくなった…みたいなことをノーマンは書いていました。
そういう日常を知ると、中山康樹の指摘もなるほどと思いますね。
あ、こっち (リマスター2枚組み(HDCD仕様))も探してみます。
どうもありがとうございました^^
by parlophone (2007-10-07 13:49)
路傍さん、こちらこそご無沙汰しております。
>これほど多彩で豊穣な音楽観を垣間見せてくれて、
>それでいながらしなやかさを持って聴く者の心に自然と入り込んでくる
ほんとうにそのとおりですね~。
ひとつひとつの音楽に独創性があって個性豊かで、さまざまな表情を見せる…でもそのひとつひとつに音楽の深遠な美しさがある。
ほんとうに偉大なミュージシャンだったと思います。
>純粋なロック世代にはなかなか理解されない
あ、そうなんですか。
それは残念だなあ…。
もっとしなやかに音楽の垣根を乗り越えて欲しいですね~。
by parlophone (2007-10-07 13:58)
MASAさん、どうもです。
>いわゆるフュージョン系のジャズはほとんど素通りしたため、
>ちょっと興味がありながらもジャコ・パスは聴いてません(汗)
ぜひぜひ!聴いてみてください(笑。
ジャコはジャズとかフュージョンとかでは括れませんね~。
しいていえばジャコです(笑。
中山康樹がマイルズの音楽はジャズではなくてマイルズだ!というのと同じですが…^^;
とにかく素晴らしい音楽です。
by parlophone (2007-10-07 14:03)
遼さん、
こんにちは。
どうも僕は幸せ者のようです(笑)
ジャコ聴いたことないんですよね。
ジャズは好きですが聴くのが偏ってるしフュージョンは
全くノータッチだったので。
どうやら聴くしかないですね~。
只今、キャロルキング「MUSIC」ヘビロテ中♪
by ouichi (2007-10-07 14:48)
ouichiさん、どうもです。
>どうも僕は幸せ者のようです(笑)
>ジャコ聴いたことないんですよね
わ~、うらやましい!!
どうぞ存分に新しい世界を楽しんでくださいませ。
もしお気に入りになったらそのうちブログにUPしてくださいね。
>只今、キャロルキング「MUSIC」ヘビロテ中♪
ぼくは以前「ア・ファシネイティング・リズム―3拍子の魅惑」というタイトルで
記事を書いたことがあるんですが、『MUSIC』の表題曲も3拍子でしたね♪
すっかり忘れてました^^;
お暇なときにでもどぞ。
http://blog.so-net.ne.jp/parlophone/2007-01-28
by parlophone (2007-10-08 00:38)