オールマン・ブラザーズ・バンドのアルバム [紙ジャケ]
あすリリースされる紙ジャケはハミングバード、スティーヴ・ミラー・バンド、そしてオールマン・ブラザーズ・バンドと、なかなか通好みのものが揃っている。
きょうはそのなかから待望久しいオールマンズのアルバムをご紹介しよう。
彼らの紙ジャケは98年6月に、当時のマーキュリー・エンターテイメント/ポリグラムから一度出ている。
わりと初期の紙ジャケだったから、おそらくそんなに再現度は高くないだろうし、あまり感心した音質ではなかった。
(このあたりのことは『イート・ア・ピーチ デラックス・エディション』の記事をご参照ください)
およそ10年ぶりのリリースということでかなり期待したのだが、紙ジャケ自体はそれほど「進化した!」という印象はない。
で、とりあえず前回購入した3rd アルバム『フィルモア・イースト』と4枚め『イート・ア・ピーチ』以外の1st 、2nd 、それに5th アルバムを買ってきた。
ま、『フィルモア』と『ピーチ』はデラックス・エディションがあるからいいか(笑。
こちらは前回98年版の紙ジャケ。
たとえば『フィルモア』のバック・スリーヴを見るとCOMPACT discのロゴがあったり「Printed in the JAPAN」? という表記があったりする。
こういうところはやはり一世代前の紙ジャケだ。
ではさっそく新しい紙ジャケのシリーズを見ていただこう。
1st アルバムは、厚紙のA式スリーヴ。
ざらりとした手ざわりのテクスチャー仕様で、豪華なゲイトフォールド・ジャケットだ。
キャプリコーン・レーベルの設立者フィル・ウォルデンの、オールマンズにかける期待の大きさが伝わってくる。
ジャケット表の写真は温かみのある色合いで、ポーズを決めたメンバーの面構えもかっこいいが、内側はなぜかハダカ。
これじゃ"All men NUDE band"である。
どなたかもどこかで書いていらしたが、オールマンズといい、ドゥービーズといい、なぜアメリカのバンドは脱ぎたがるのだろう(笑。
インナーバッグもついていないし、日本語解説も前回の使いまわしだ。
CDのレーベルはオリジナルとは似ても似つかない、黄色一色のレーベル。版権のせいで復刻はムリとしてもどうしてこんなデザインなんだろう?調べてみたら1st と2nd はアトコ・レーベルから出ていた。
それでこんな黄色のレーベルになってるんですね(失礼しました)。
前回の紙ジャケといちばんの違いは「CAPRICORN RECORDS SERIES」とSTEREOという表記がフロント・スリーヴの下部にあることだ。
前回の紙ジャケではこの部分は消されていた。
アルバムはいきなりデュエインとディッキー・ベッツのツイン・リードが炸裂する「Don't Want You No More」で幕を開け、そのままオリジナル・ブルーズの「It's Not My Cross to Bear」になだれ込み、灼熱の「Black Hearted Woman」が胸を熱くする。
ライヴではアドリブの応酬で20分を超える「Whipping Post」の初演など、名作ぞろいだ。
音はいいです。
前述のとおり日本語解説が使いまわしなので、いつのマスターを使っているのかわからないが、帯には「ルビジウム・クロック採用による新規カッティング」と書いてある。
だれか説明してください(笑。
1st アルバムが思ったほど売れなかったからだろうか、2nd アルバム『アイドルワイルド・サウス』はうってかわってモノクロームの地味なシングル・スリーヴ。
こちらもコーティングのないA式だ。
それでもテクスチャー・スリーヴで、それなりに質感のよさは伝わってくる。
ジャケットの裏にはRIAA のマークなどもちゃんと載っている。
前回の紙ジャケがどうだったかわからないのだが、98年という時期から考えるとおそらくこのあたりは削除されていたのではないか。
アナログ盤の香りがただよう、こういうこだわりはうれしい。
前作のニューヨーク、アトランティック・スタジオからマイアミのクライテリア・スタジオへと拠点を移し、明らかにテイストが違う。
オープニングの「Revival」などはアコースティック・ギターのイントロで始まり、さわやかなコーラスやタンバリンが絡む明るいナンバーで、グレイトフル・デッドとの親近性も感じさせる。
エンジニアはトム・ダウドで、このつながりからあの『レイラ』が生まれたわけだ。
ディッキーの名作「エリザベス・リードの追憶」や、多くのカヴァーを生んだ「Midnight Rider」などを収める。
5th アルバムの『ブラザーズ・アンド・シスターズ』はデュエイン、ベリー・オークリーという2人のメンバー亡きあと作られたアルバムで、ジャケットの愛らしい写真が象徴するようにかなりポップな味わいの作品だ。
ストーンズなどとの共演で有名なチャック・リーヴルの参加もプラスに働いている。
全米2位になった「ランブリン・マン」やポップなインストゥルメンタル「Jessica」などを収めている。
紙ジャケはコーティングのない厚紙のA式スリーヴで、ゲイトフォールド。
内側にはレコーディングにかかわったスタッフの家族までが写ったあたたかみのある写真が載せられている。
パーソネルを記載したインサートのミニチュアつき。
たしかに音はよくなっていてそれはうれしいのだけれど、紙ジャケ自体はそれほどの進化もなく、価格だけが500円上がっている(前回は税込2,000円)。
アルバムとしてはもちろん買いだけれど、音源があるのなら次回の紙ジャケまで待ってもよさそうだ。
もっともオリジナル盤じたいがこういう作りで、紙ジャケは精巧に復元されているのかもしれないから、待っていてもインナー・バッグがつくぐらいなのかもしれないけれど…。
Allman Brothers Bandいいですね。
音は私も合格点ですがせめてインナーバックは付けて欲しかった・・・
(オリジナルはインナーバックは専用タイプが付属していたのかなぁ?)
本当はあと2枚ほしいのですがもう今月は無理かなぁ・・・
前回のドアーズ、キンクス、T.REX、ピンク・フロイド、フォガット、イエスだけでん?何枚かなぁ・・・恐ろしいです。
来月はリリース予定は何が出るのかなぁ・・・ここら辺で一息付ければいいのですが。
トラバさせて頂きましたので宜しくです。
by tetsupc2 (2007-09-12 10:00)
tetsupc2さん、nice!&commentありがとうございました。
>ドアーズ、キンクス、T.REX、ピンク・フロイド、フォガット、イエス
あ~、そうでした。
すごいですね~^^
ぼくはあと、紙ジャケはキャロル・キング、マウンテン…。
そのほかはS&Gの69年ライヴ、フェアポートの『リッジ・アンド・リーフ』のDXエディション、そしてZEPP、といったところですか。
でもクリスマスまでに何が出てくるか、楽しみ半分、恐さ半分ですね~^^;
by parlophone (2007-09-12 21:33)
遼さん こんばんは。
ルビジウムクロックですが、通常の水晶発振に比べると3桁以上
の精度があります。PCM方式の場合、音に影響するのは絶対値ではなくて
ジッターと言われる「ゆらぎ」の方なので、絶対精度はあまり
アテになりませんが、絶対精度が良くなるとジッターも比例して
減る ということのようです。
ジッターはワウ・フラッターをもっと小刻みに変化させたようなもので、
ジッターが多いとなんか落ち着かない神経質な音質になります。
ルビジウムのような精度のいいやつは自然で透明感のある音
になると言われています。
しかし、ビクターはルビジウムの更に上のセシウムクロック
もやってるのにケチった感じですね(セシウムは大変高価で
レンタルコストもかかるようですが)
気になるのは製造工程のどこにルビジウムを使ったのか
ということです。アナログマスターを変換する時に使うのが
一番効果がありそうですが、「新規カッティング」というと
最終のCDマスターを作るときに使ったということかな?
となると所詮デジタルマスターは供給されたやつか、
手持ちのものを使ったような気がします。
by ノイ (2007-09-22 23:20)
ノイさん、詳しい解説ありがとうございます。
>ジッターが多いとなんか落ち着かない神経質な音質になります
>ルビジウムのような精度のいいやつは自然で透明感のある音
なるほどね~。
一時期グリーンの塗料を塗るとジッターの低減になるとか、いろいろいわれましたが、ルビジウムにはそういう意味があったんですね。
>最終のCDマスターを作るときに使ったということかな?
ぼくもなんとなくそういう気がします。
さもなきゃ、たとえば「オリジナル・マスター・テープから…」というような
もっと派手なキャンペーンを打つと思いますね^^
by parlophone (2007-09-23 00:28)