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クリフォード・ブラウン・イン・コンサート [JAZZの愛聴盤]

このシリーズの第4回にも書いたが、きょう6月26日はぼくが一番好きなトランペッター、クリフォード・ブラウンの命日だ。
それにちなんで彼のライヴ・アルバムをご紹介しよう。

        

ドラムスのマックス・ローチと組んだ双頭コンボ、ブラウン・ローチ・クインテットのごく初期のライヴ録音である。
A面は1954年8月、B面はそれより4か月前の54年4月(例の有名なアート・ブレイキーとのバードランドのライヴからわずか2か月後)の録音だ。

前もどこかに書いた話で恐縮なのだが、むかしのジャズ・ファンはLPの片面しか聴かなかった。
これはジャズ喫茶から来た作法なんだと思うけれど、ジャズ喫茶ではなるべくたくさんのリクエストに応えるために、アルバムの片面だけしかかけないのである。
時間にして25分前後。
そしてつぎのアルバムに移っていく。
ジャズ喫茶でそういう聴きかたをしていると、自宅のリスニング・ルームでも、なんとなく片面聴いたらつぎのアルバムを探しちゃうんですね(笑。

その流儀で行くと、きょうのアルバムなんかはどう考えてもA面である。
まずメンツが、ハロルド・ランド(ts)、リッチー・パウエル(p)、ジョージ・モロウ(b)という恒久メンバーである。
さらに1曲めがデューク・ジョーダンのあの名曲「Jordu」、そしてバラードの「言い出しかねて」、アレンジも洒落た「君にこそ心ときめく」、そしてリッチーの兄バドが書いた名曲「パリの舗道」とつづく。
しかもライヴですよ。
ブラウニーのトランペットというのは、ほんとうにできにムラがなく、いつ聴いてもすばらしいのだが、ライヴのブラウニーはさらに輝かしいきらめきに満ちている。

ところが聴いてみるとB面もいいんです(笑。
テディ・エドワーズのテナーに、カール・パーキンスのピアノという組み合わせも興味を引くが、1曲めが「神の子はみな踊る」。
バド・パウエルがソニー・スティットと遺した名演も有名ですね。
2曲めのバラードの「Tenderly」も例によって、ブラウニーの歌心溢れる演奏だし、つづくエドワーズのオリジナル「Sunset Eyes」ではエキゾティックなテーマに載せたブラウニー、そしてパーキンスのソロがいい。
そしてなにより、ラストに収められたブラウニーのオリジナル「Clifford Axe」がすばらしい。
これはかれのアドリブの見本市のような曲だ。

現在のCDのジャケットは再発された12インチ(30センチ)LPのものだと思うが、ここに載せたものはオリジナル10インチのジャケットを復刻したキング・レコードからリリースされたものだ。

ちなみにオリジナル10インチの画像がRefugeeさんのブログに載ってます。
うらやましい~~~(笑。

MAX ROACH AND CLIFFORD BROWN IN CONCERT
GENE NORMAN PRESENTS GNP 18

 


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コメント 12

Refugee

遼さん、拙ブログへのリンク&TBありがとうございました。
ご無沙汰してしまって、すみません。
あっ、HPのURL変更のメールもありがとうございました。変更しておきました。

そういえば、今日はブラウニーの命日ですねぇ・・・
私も、久しぶりに、この10インチでも聴いてみましょうかね。
by Refugee (2007-06-26 22:59) 

parlophone

Refugeeさん、トラックバックとコメントありがとうございました。
お元気でしたか?

最近は一時期に比べてブラウニーを聴く機会がめっきり減ってきましたが、
やっぱりいいですね~。
H.マギー→F.ナヴァロ→C.ブラウン→L.モーガン→B.リトルと聴いていくと、H.マギー以外はみんな夭折しちゃったんで、だんだん胸が詰まる思いがしてきます^^;
でもたまにはこういう聴きかたしたくなっちゃうんですよね。

オリジナルの10インチの音はまた格別でしょうね~。
by parlophone (2007-06-27 00:03) 

Shaolin

1956年8月22日の Down Beat 誌に載ったという、Quincy Jones による一節:

" . . . the record companies owe it to the future of Jazz to make available every possible fragment of the beautiful musical gifts Clifford gave the world with unbounded love . . . "

この文章がすべてを表しているように思います。

真の意味で、一曲どころか一コーラス、一小節、一音たりとも駄演は残さなかった。レコーディングでもライブでも。

最近モダンを聴く回数がめっきり減りつつありますが (笑) やっぱり彼の「音」は他にかえがたい特別なものですね . . .
by Shaolin (2007-06-27 08:53) 

parlophone

Shaolinさん、どうもです。

いや~、すばらしい賛辞ですね!
たしかクインシーはライオネル・ハンプトン楽団で同じトランペットを吹いていたんじゃなかったですかね?

だとすれば、クインシーがいちばんブラウニーのトランペッターとしての才能をわかっていたのかもしれませんね。

>一曲どころか一コーラス、一小節、一音たりとも駄演は残さなかった

たしかに。
死後、いろいろと音源が発掘されましたが、どんな劣悪な録音状態であろうと、その向こうから聞こえてくるブラウニーの音には輝きと歌がありました。
ほんとうに「不世出」ということばはブラウニーのために用意されたようなものですよね…。
by parlophone (2007-06-27 21:57) 

最近、安価でJAZZやらアフロの中古盤を数枚入手しました。
(夏フェス参加の為、レコード代が減ってしまったので・・)
JAZZ盤は超ベタなんですが、マイルスのバック・バンドにいた
ベース奏者ロン・カーター氏の『Parade』です。
あるじはJAZZ喫茶に出入りした経験はないのですが、
このアルバムなら間違いなくビバップのカッコいいB面です!!
父が好きで、小さい頃の記憶にはいつもJAZZがありました。

因みにですが・・アフロ・ビートJAZZのトランペット奏者フェラ・クティの
ずーっと欲しかった盤も、格安で買えてかなり満足でした。
両方とも記事アップ済みなので、お暇な時にでも覗きに来てくださいね!
(フェラ以外はまとめてレヴューしちゃったので密度激薄ですが・・・)
by (2007-06-28 00:33) 

parlophone

あるじさん、いつもnice! とコメント、ありがとうございます。

>最近、安価でJAZZやらアフロの中古盤を数枚入手しました

じつはまったく知らないのでコメントを入れる余地はなかったのですが、
フェラ・クティのレコードの記事は拝見いたしました。
ぼくが聴くのは50~60年代のアフロ・アメリカンのジャズばかりなので、
フェラ・クティ氏についてはまったく知らないのですが、ロン・カーターの『Parade』は持ってましたよ。

残念ながらジャズのレコードは結婚するときにすべて(700枚ぐらい)処分してしまったので、今はもう手元にはないんですけれど…。

今度遊びに行ったときにはコメントさせていただきます^^

それにしても素敵なお父さまですね!!
by parlophone (2007-06-28 01:04) 

>残念ながらジャズのレコードは結婚するときにすべて(700枚ぐらい)処分  してしまったので、今はもう手元にはないんですけれど…。

ぬぉぉぉぉぉを!? なんて勿体無い!!!!!(取り乱してすみません;汗)
あるじはレコード600枚+CD800枚ほど(CD世代なので)と
共に、だんなにあきれられつつですが嫁入りしましたよー(^_^;)
父も昔は相当JAZZのレコード持っていたようです。
(たぶん、遼さんと同じく処分したのだと思いますが・・)

フェラについては、あるじも知ったのは極最近(5年前)で、
今回購入したレコードがきっかけでした。
ブラック・ミュージックは移住した(若しくはさせられた)
黒人たちによって世界各地で興りましたが、
やはりアフリカ大陸起源の音楽は無視できない存在です。

因みに、だんなは昔からメタル好きらしいのですが、どうもその頃の
影響で速いリズムが好きなようで、最近ではハード・ハウスや
トランス等の高速打ち込み系に傾倒しております。(笑)
(Ozzyの記事からのレスですみません。)
by (2007-06-28 08:28) 

parlophone

>あるじはレコード600枚+CD800枚ほど(CD世代なので)と共に、
>だんなにあきれられつつですが嫁入りしましたよー(^_^;)

すご~い!!
女の人ってあまりレコードやCDをコレクションしてる人って少ないと思うんですが、いるんですね~。
お近づきになりたいです。

>やはりアフリカ大陸起源の音楽は無視できない存在です

プリミティヴな律動というのは無条件に体や気持ちを鼓舞させる効果をもってますよね。
ぼくもラテン・ビートやレゲエ、アフロ・ビートにはあっさり降参しちゃいます^^

>ハード・ハウスやトランス等の高速打ち込み系に傾倒しております

よくわかりませんが、わかるような気もします(意味不明^^;)
by parlophone (2007-06-28 22:52) 

またまた再訪してしまいました。(^.^;)

>女の人ってあまりレコードやCDをコレクションしてる人って少ないと思うんですが、

コレクションって云うんですかね・・・
あるじには音楽ってあまりにも日常だったので、そんな風に考えたこと
ありませんでした!目からウロコ(‘o;)
大人になってから意識して蒐集している物は結構ありますが、
音楽メディアだけは古くは小学生くらいからずーっと
大切にしているものなので、愛着の度合いが違います。

>お近づきになりたいです。

こちらこそ、若輩者のあるじに色々と教えて頂きたいですm(._.)m
by (2007-06-29 00:10) 

parlophone

>あるじには音楽ってあまりにも日常だったので

いいですねー!
ときどき音楽には興味がないという人がいますよね?
そういう人に出会うとびっくりします。
ぼくにとってはやっぱり「No Music,No Life」なので…。

>大人になってから意識して蒐集している物

えー、何だろう(笑。
ぼくはギターとアナログ盤と映画のDVDですね~。
若いころは腕時計とかにも興味がありましたが、欲望には果てがないので自粛せざるを得ません^^;

>こちらこそ、若輩者のあるじに色々と教えて頂きたいです

とんでもないです。
ぼくにとって未知の音楽についていろいろと教えていただければうれしく思いますm(_ _)m
by parlophone (2007-06-29 01:04) 

M54

おはようございます。
かなり遅れてのコメントですいません。
僕もブラウンは超大好きなジャズマンですねー! 昔、ジャズ喫茶で毎回ブラウンをリクエストしていてたまにはジョーダン(クリフォード・ジョーダン)にしてよ! なんてマスターから言われてました(笑)
僕もそんな年代ですので片面主義です、A1がありB1がありこれが染み付いてますからCDはチョット楽しめません、カーオーディオは仕方ありませんがね。
ブラウンの素晴らしさは皆さんの仰るようにワンアンドオンリーですね。
所有盤は日本盤 です。  実はRefugeeさんのブログにお邪魔して10インチ オリジ 初めて見ました。  これは素晴らしい佇まいですねー欲しい!!(笑)   
by M54 (2007-07-01 08:36) 

parlophone

M54さん、コメントありがとうございます。

>昔、ジャズ喫茶で毎回ブラウンをリクエストしていて
>たまにはジョーダン(クリフォード・ジョーダン)にしてよ! なんて

そういえば同じクリフォードですね。
ぼくの「ジャズの愛聴盤」シリーズもたまたまクリフォードが2人つづいてしまいました(笑。

>僕もそんな年代ですので片面主義です

いや~、ご同好の士がいてうれしいです^^

>実はRefugeeさんのブログにお邪魔して10インチ オリジ 初めて見ました
>これは素晴らしい佇まいですねー欲しい!!(笑)

でしょう?!
ほしいですよね~。
いつかはオリジ(笑。
by parlophone (2007-07-01 14:43) 

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