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イアン・マシューズ 『愛のいのり』 [ブリティッシュ・フォーク]

イアン・マシューズの名前を初めて聞いたのは、かれが『マシューズ・サザン・コンフォート』というタイトルのアルバムを出したころだから70年ごろのことだろうか。
たぶん国内盤がリリースされて雑誌でちょっとした話題になったのだと思う。
けれどそのときは名前だけで、かれの音楽を実際に耳にするのはもっとずっとあとになってからのことだ。
そのときの第一印象。
「ああ、イアン・マシューズって想像していたとおりの声と雰囲気をもった人だなあ」

   

今回ご紹介する紙ジャケは一昨年の7月にサンディ・デニーのソロなどと同時にリリースされたユニバーサル・ミュージックの「ロック・レジェンド・シリーズ」の1枚だが、買ったのは昨年になってからだ。
サンディを買うときに気になりながらも、ちょっと後回しにしたらあっという間に店頭から消えていたのだった。
5,000枚限定だから、すぐになくなるのはわかっていたのだが油断だった。
昨年帰省したときに倉敷のタワレコで見つけたときはほんとうにうれしかった(笑。

このアルバムはサザン・コンフォートというバンドを離れてソロとして再出発したときのもので、原題は『If you saw thro' my eyes』という。
1971年1月のリリースらしい。
参加したミュージシャンはイアンが在籍していたフェアポート・コンヴェンションからリチャード・トンプソン(g)、サンディ・デニー(p,vo)、フォザリンゲイからパット・ドナルドスン(b)とジェリー・コンウェイ(ds)、キング・クリムゾンのキース・ティペット(p)といった布陣だ。
なんと豪華なサポート陣なんだろう。

アルバムはフォーク・ロック調の「Desert Inn」で始まる。
エレクトリック・ギターやペダル・スティールも入って快活でストレートなこのオープニング曲にはちょっと意表をつかれた感じだった。
もっと繊細で静かに始まるのだろうと思っていたからだ。

全体としては繊細でやや感傷的な感じのマイナーな曲が多く、いかにもブリティッシュ・フォーク然としたアルバムで、アメリカあたりでは受けそうもないけれど、マイナー好きなぼくらの感覚にはぴったりとくる。
ほとんどはイアンのオリジナルだが、フェアポートのレパートリーの1曲だったという「Reno Nevada」(シンガー・ソングライターのリチャード・ファリーナという人の作品)あたりもじつに魅力的だ。

個人的に大好きなのはM-3Never Ending」。
トンプスンが弾くアコースティック・ギターにキースのピアノがためらいがちな会話のように絡んでいくイントロを聴いただけで、その美しさに心がとろけそうになる。
この1曲にめぐり合えただけでも、このアルバムを買った価値があるというものだ。

   

紙ジャケはテクスチャー仕上げのゲイトフォールド。
猫を抱いたいかにも繊細そうな表情のフロント・スリーヴはそのままこの作品を表しているようだ。

レーベルはヴァーティゴになっている。

   
   (スリーヴの内側も魅力的だ)


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コメント 4

白熊店長

♪ (遼)さん、今晩は。
わあ~い1番乗りだ・・・って、何でコメントが付かないんでしょう。
こんなに素晴しいアルバムを紹介しているというのに。
昨年から本格的にフォーク・ロックまで手を伸ばしてしまい、その為か首が回らなくなってしまい病院へ行ってきました。
 あ、原因は違ったな。筋肉痛だった。失礼しました。(苦笑)
当時、このアルバムと次作が日本フォノグラムから国内盤で発売されていたのは覚えていますが、買うことはありませんでした。
特に『愛のいのり』(でも何故に、こういう邦題なんでしょうね)は、素晴しいスリーヴ・デザインが気になっていた1枚で、紙ジャケ化された時に迷わず入手しました。(2ndもですが)
僕がIan Mattewsを聴くようになったのは、Elektraに移籍して発表した”Valley High”(確かこういうタイトル)でした。
SSWのアルバムを好んで聴いていた時期でもあったので、これも是非紙ジャケで発売して欲しい1枚ですね。
最近のW.M.JならOKでしょう。
まずはVertigoでの2枚から聴きましょうよ。
良質なアルバムである、と自信を持って保証しますから。(笑)
by 白熊店長 (2007-03-18 00:38) 

parlophone

店長さま、いつもありがとうございます。
そうなんですよ~、とってもいいアルバムだと思うんですが、リリースされたときもぼくの周りではあまり話題にならなかったし、ブログ仲間のみなさんとこでも、あまりしょうかいされてた記憶がありません…^^;

>まずはVertigoでの2枚から聴きましょうよ。
>良質なアルバムである、と自信を持って保証しますから(笑)

2nd はジャケが「…」だったので買いませんでしたが、やっぱりいいですか。
もう残ってないだろうなあ。
5,000枚限定ですからね~。
by parlophone (2007-03-18 12:22) 

白熊店長

♪ (遼)さん、どうもです。

>2nd はジャケが「…」だったので買いませんでしたが、やっぱりいいですか。
もう残ってないだろうなあ。
 むしろ1stの方が入手し難い筈。
白熊リサーチ社(←勝手に命名=笑)調べでは2nd・・・入手できます。HMVはNGだけど、タワレコ→取り寄せOK、DU→店頭在庫あり、高知の一心堂→店頭在庫あり、というかんじですね。
案外、店頭には無くても、取り寄せてもらえば大丈夫、というパターンが多いものです。
 ちなみに”Valley High”もCD化(プラケ)されてましたが、Waterなので?です。
by 白熊店長 (2007-03-18 14:40) 

parlophone

おお、リサーチありがとうございました!
そうですか、まだ買えそうですね^^

でもオンラインでは『有刺鉄線サンドイッチ』でやられました~。
店頭ではまったく見かけなかったので、「1~2週間以内に発送」のAmazonで注文しました。
それが2月2日。
で…
→→→まだ来ません^^;

Amazonからは「発送が遅れます」のメールだけ。
いまだに「申し訳ありませんが売り切れました」というお詫びはありません。
ど~すんのよ、アマゾン!
つづく~!
by parlophone (2007-03-18 20:47) 

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