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ジャズの古いCD (BLUE NOTE編) [モダン・ジャズ・ジャイアンツ]

さすがにCDが溢れ出して今までのラックには入りきれなくなったので以前から新しいCDラックを物色していたのだが、なかなか気に入るものがない。
まず色、それからサイズがぴったりこないのだ。
そしてなにより、紙ジャケがちゃんと収納できる棚板の間隔(笑。
ところが先日ホームファッション ニトリに行ったときにマイ・ルームにぴったりのものを発見した。
CDVD-1830というCD DVDラックで、その名のとおり高さ180センチ、幅29.5センチという、幅が狭くてトールボーイのラックだ。
棚板が9枚付属していてCDならば10段で使用できる。
色はほんとうはブラックが好ましいのだが、ダーク・ブラウンで妥協した。
なにしろ価格が3,480円ぐらいだったかな 2,980円だ。
さっそく購入して組み立ててみると、やはり小さなガタツキがあるが仕方がない。
転倒防止のバンドがついているから、これで壁に固定したほうがいいだろう。
実際に紙ジャケを入れてみると、1段に45枚入った。
10段で約450枚。
CD1枚あたり約7.7円 (←どんな計算や?)
CPはきわめて高い(笑。

さて、今までラックに入りきれずに奥のほうにしまい込んでいたやつを引っ張り出して整理していると、かなり古いジャズのCDが何枚か出てきた。
ほとんどは紙ジャケになったときに処分してしまったのだが、ボーナス・トラックがついているので残しておいたものだ。
せっかくなので現行のCDと比較試聴してみた。
今回はこの2タイトルだ。

   

まずケニー・ドーハムの『ウナ・マス +1』は1963年4月の録音で、CDのリリースは1986年9月。
もう20年以上経つわけだ…。
規格番号はCP32-5249で「BLUE NOTE CD SUPER 50」という3,200円のシリーズの1枚である。
オリジナル盤ではカットされていた「If Ever I Would Leave You」という、同じ日のセッションからラーナー&ロウが書いたバラードが「+1」として収められている。
パーソネルはケニー・ドーハム(tp)、ジョー・ヘンダースン(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ブッチ・ウォレン(b)、トニー・ウイリアムス(ds)という豪華な布陣で、ジョーヘンはこれが初レコーディングにあたる。

   
   (表ジャケットの右上にカタログ・ナンバーが入っているところが時代を感じさせる)

ブックレットの裏を見ると「Limited Edition」の表記。
限定盤だったのだろうか。

   

ジャケ裏は日本語表記。
デジタル・リマスターに関するクレジットなどはいっさいない。

現行のルディ・ヴァン・ゲルダー(以下RVG)マスタリングの紙ジャケに比べるとはっきりしたステレオ感で、トランペットが左、テナーは右、ピアノとベースがセンターで、ドラムスは右に定位する。

初期のCDは冷たい音だとよくいわれたものだが、こうして久しぶりに聴いてみるとそうでもない。
RVGマスターのように上下に伸びた明瞭な音ではないが、ミッドレンジの充実した柔らかな音でけっして悪くはない。

タイトル曲の「ウナ・マス」はラテン・ビートに乗った15分を超える曲で、ケニーのトランペットも饒舌だし、トニーのドラムスはプレイヤーを煽るように挑発的だ。
現行CDはトランペットの高音が耳につく部分もあるのだが、こちらの少しくすんだ感じはケニーの雰囲気にぴったり。
なかなか捨てがたいCDだ。

もう1枚は『ソニー・クラーク・トリオ +3』。
こちらは1957年9月の録音で、りっぱなステレオ・レコーディングだ。
CDのリリースは88年6月でカタログ・ナンバーはCJ28-5061、「BLUE NOTE CD TREASURY 2800」というシリーズの1枚だ。

   

ボーナス・トラックは3曲のオルタネイト・テイク。

今回あらためて聴きなおして気がついたのだが、驚いたことにオリジナルとは曲順が違うのだ。
M-1 I Didn't Know What Time It Was (alternate take)
M-2 I Didn't Know What Time It Was
M-3 Two Bass Hit
M-4 Two Bass Hit
(alternate take)
M-5 Be-Bop
M-6 Tadd's Delight
(alternate take)
M-7 Tadd's Delight
M-8 Softly as in a Mornig Sunrise
M-9 I'll Remember April

どうやら録音順に並べられているらしい。
ボックス・セットならよくあることだが、オリジナル・アルバムの体裁をとった1枚もののCDとしてはかなり珍しいと思う。
おもしろいのは「Two Bass Hit」。
ふつうオルタネイト・テイクはなんらかの不都合があって採用されなかったテイクだから、オリジナル・テイクより前の録音だ。
ところがこの曲はオルタネイトのほうが後に録られている。

   
   (監修はマイケル・カスクーナだ)

ロン・マクマスターがリマスタリングしたこのCDも、ほとんどモノラルといっていいRVGマスターに比べるとはっきりとしたステレオになっている。
RVGマスターはさすがというべきで、40年も前の録音なのにベースなども伸びやかで活き活きと鳴っている。
それに比べるとこちらのCDはわずかながら鮮度が後退する。
しかし思ったほどの違いはなく、けっこういい音だ。

この作品久々に聞いたのだが、毎日ジャズを浴びるように聴いていた大学時代を思い出してしまって、思わず聴き惚れてしまった。


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Refugee

遼さん

私もCDラックを新調したいなぁと思ってるんですよね。そのニトリのやつ、私もちょっと見にいってみましょうかね。

で、BNのCD比較ですが、「RVGの音」が好きじゃない人は、旧CDに軍配あげる人もけっこういますね。
RVGリマスター自体も、時期によって相当違いがある感じがします。

もともと、RVGって、本来は、カッティング・マスターを作るマスタリングの段階でやっておくべきことを、カッティングの段階でやっちゃってるみたいなんですよね。
これは、RVG録音のレコードも、レイトのUAとか音符ラベルの頃の、すでにRVGカッティングのスタンパーが廃棄されて、新規カッティングしてるレコードを聴くと、まったく「RVGの音」じゃないってとこからの推測なんですが。

だから、マスター・テープからそのままデジタル化すると、絶対「RVGの音」にならない。
そこでRVGリマスターだと、リマスター段階で音をいじくりまわして、「RVGの音」を作りだそうとしてるわけで、これが「鮮度命」の人には気に入らないらしいです(笑)
でもって、このいじくりまわしも、RVGリマスター初期の頃は、まだおとなしかったんですが、どんどん豪快になっていって、ステレオも、音が真ん中に集まってモノラルみたいになってたり、極端ですよね(笑)

私は、このRVGのこだわりが、好きなんですけどねぇ。
by Refugee (2007-02-25 14:56) 

MASA

久しぶりに登場しましたね「鰻鱒」(笑)。
私の部屋ももうCDラックがいっぱいで収納しきれない分は床に山積みなのですが、新たにラックを買うにしてもそのラックを置くスペース自体がないので困ってます^^。

私はBLUE NOTEのCDはほとんどアメリカ盤で持ってますけど、RVGリマスターの紙ジャケよりもそっちの方が好きですねえ。RVGリマスターのようなふくよかさや音圧がないのでアナログとは次元の違う音かも知れませんが、キレイに伸びた音をしているのでこれはこれでありだなと思ってます。RVGのはモノラルみたいだってのがいちばんのネックかなあ。ステレオなのかモノラルなのかどっちかにハッキリして欲しいです(笑)。
by MASA (2007-02-25 16:20) 

TETSU+ PC2

遼さん、皆様こんにちは~
私も、CDの収納には頭悩ませますね・・・
レコードもラックに全ては収まらずDUのレコ箱(ダンボール)に10箱位入れて押入れに納めています。
(勿論、乾燥剤入れて)の状態なのにCDまでもが置き場所が無くなって来ました、私の場合は帯や背表紙の焼け・変色しない様に、ホームセンターでCD/DVD収納ケースに入れて保管しています。
これは半透明(白く半透明)なので帯や背表紙の焼け・変色の心配はなさそうですし蓋付きなので誇りも入りません、
一個にプラケCDで30枚位(紙ジャケだと50~60枚位)入り、しかも積み上げが可能ですので私の場合はレコードラックの横に5段づつ積み上げています。
欠点は一番下の箱に聴きたいCDがあった場合は一旦上の箱をどかせ無ければいけないことですが日ごろは全てHDDに入れているのであまり不便は感じません。
でも、先日整理していましたらここ2~3年の間で紙ジャケがかなり増殖した事です。
私で単純に計算しても紙ジャケだけで500枚オーバーしていました。プラケCD入れると1000枚オーバーです・・・そのうち寝る場所無くなるかも?
あ~あ~という感じです。遼さんや皆さんはおそらくもっとあるんでしょうね・・・ちょっとした財産ですね。
by TETSU+ PC2 (2007-02-25 17:18) 

TETSU+ PC2

忘れていました・・・
今回のE.L.O.の紙ジャケで一番楽しみにしていたタイトルが「TIME」で、私の中では「TIME」がE.L.O.の中では最高傑作だと思います・・・!
コアなE.L.O.ファンの中でも隠れた名作として人気あります。
ぜひ!機会がありましたら聴いてみてください。
プロローグから始まりエピローグで終わるE.L.O.独特のコンセプトアルバムに仕上げられていて「Eldorado」や「Discovery」より私はなじみやすかったのでこの「TIME」は発売当初からずっと聴いています。
話が戻りましてゴメンナサイ・・・
by TETSU+ PC2 (2007-02-25 20:30) 

parlophone

Refugeeさん、こんばんは~。

>もともと、RVGって…
>だから、マスター・テープからそのままデジタル化すると、絶対「RVGの音」にならない

なるほどね~。
Refugeeさんらしい緻密な理論ですね。

たしかにハッケンサックにスタジオがあったころの録音はモノラルでも納得できますが、イングルウッド・クリフスに移転してからの録音まで、ほとんどモノラル状態ですからね~。

それでも楽器の音がかぶらずに奥行きをもって再現されるのはさすがだと思いますが、『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ』などははっきりと、その前のシリーズ(たしかリマスタリング・エンジニアは日本の方)のほうがぼくの好みでした。
by parlophone (2007-02-25 22:43) 

parlophone

>久しぶりに登場しましたね「鰻鱒」(笑)

はい。
milkちゃんも読んでいてくれるでしょうか(笑。

>CDラックがいっぱいで収納しきれない分は床に山積み

どなたも収納には困っていらっしゃるみたいですね(笑。

>BLUE NOTEのCDはほとんどアメリカ盤で持ってますけど

以前もその話題が出てましたよね。
そのときに店頭で確認したら、US盤プラケのRVGリマスターは1999年~2001年ごろにまたがっているみたいですが、これって新しいリマスタリングなんですかね。
東芝の紙ジャケと同じマスターということはありえないんでしょうか?
そのへんがよくわからなくて買ってないんですけど…^^;
by parlophone (2007-02-25 22:50) 

parlophone

TETSUさん、どうもです。

>私の場合は帯や背表紙の焼け・変色しない様に、ホームセンターで
>CD/DVD収納ケースに入れて保管しています

ありますね、白い半透明の収納ケース。
たしかに焼け・変色に強そうですね。

>単純に計算しても紙ジャケだけで500枚オーバーしていました

ですよね…。
ぼくもラック買ったら約450枚分のスペースがほとんど埋まってしまいましたからね。
あれれ? みたいな感じで。
「新しく買ったのに、ちっともゆとりないじゃん」…って^^;

>私の中では「TIME」がE.L.O.の中では最高傑作だと思います・・・!

そうなんですか!
機会があったらぜひチェックしてみます!!
by parlophone (2007-02-25 22:58) 

MORE

CDの置き場所、本当に困ります。(LPはもっと困りますが・・・)
私はベッドが無印のでマットレスの下にスペースのあるやつです。
で、ニトリで買った「すのこ」を敷き、その上に段ボール製の箱にCD
を入れ(これ、レコード会社が発送用に使うものなのでピッタリ)、
出したい時はすのこごと引き出す、というシステム(爆)です。
もちろんそれは一部の話でして、部屋のありとあらゆる隙間にその
箱が入っています・・・
探すのが面倒になってきたのでボチボチとMP3化してHDDに
入れていますが、いつになったら終わることやら・・・(苦笑)
プラケースを止めてPVCの袋式に交換すればスペース的には
助かるんでしょうが、コストと手間を考えるとねー。
by MORE (2007-02-26 10:37) 

parlophone

>もちろんそれは一部の話でして、部屋のありとあらゆる隙間に
>その箱が入っています・・・

いやあ~、みなさん大変ですね~。
ベッドの下って湿気的にどうなのかなあ、と思ったらちゃんと「すのこ」で対策がしてありましたね^^

>プラケースを止めてPVCの袋式に交換すればスペース的には
>助かるんでしょうが、コストと手間を考えるとねー

ぼくもお試しセットを買って(爆)、20枚ほど入れてみたんですが、やっぱりプラケはプラケに入ってないと…って思ってます。
ちょっとした違いが時代を感じさせたりするんで、その部分が感じられなくなっちゃうのもイヤなんですよね。
自分ではコレクターではないつもりなんですけど(笑。
by parlophone (2007-02-26 21:52) 

chitlin

遼さん、皆さん、こんばんは。

皆さん同様、私も収納には苦労しております。
CDなどを裸でその辺りに放っておけないのできちんと収納しておきたいのですが、すでに飽和状態なのです。
新しいブツを入手してもなかなか開封出来ない原因がここにありますね。

紙ジャケットCDと輸入盤RVG、前に書き込みさせていただきましたがダブらせます、気に入った盤ならば。
精神衛生上、ベターかと思いまして。しかし、厄介な性分ですよ・・・。
by chitlin (2007-02-28 01:00) 

parlophone

>新しいブツを入手してもなかなか開封出来ない原因がここにありますね

ああ、それはもう極限の状態ですね~。
はやく何とかして可哀想なCDたちを救ってあげてくださいね^^;

>精神衛生上、ベターかと思いまして。しかし、厄介な性分ですよ・・・

ですよね、紙ジャケもUS盤RVGも捨てられませんよね~。
よくわかります(笑。
by parlophone (2007-02-28 21:49) 

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