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ソニー・スティット 『チューン・ナップ!』 [JAZZの愛聴盤]

ソニー・スティットのレコードというと、1949年のビ・バップ期の名盤『スティット・パウエル・JJ』(プレスティッジ)を初めとして、ルーストの名演『ペン・オヴ・クインシー』、ヴァーヴに残した『シッツ・イン・ウィズ・オスカー・ピータースン』や『ザ・モダン・ジャズ・セクステット』など、優れた演奏をいくつも思い浮かべることができる。

そんななかでぼくがときどき聴きたくなるのが、70年代に入ってなお存在感を示したコブルストーンの『チューンナップ!』だ。

    

スティットといえばアルトの名手ながら、あまりにチャーリー・パーカーに似ているので、かれの存命中はもっぱらテナーを吹いていたことで有名だ。
その両方で名手としての名声を確立したスティットならではの、バップ特有のテクニカルなアルトと、レスター・ヤングとデクスター・ゴードンの中庸をいくようなリラックスしたテナー、その両方を楽しむことができるレコードだろう。

ここではバリー・ハリス(p)、サム・ジョーンズ(b)、アラン・ドウソン(ds)という実力のしっかりしたトリオにサポートされて、タイトル曲(マイルズ・デイヴィス作)や自作のブルーズ、「Groovin' High」(ディジー・ガレスピー作)といったバップ期のオリジナルと、「言い出しかねて」、「I Got Rhythm」といったスタンダードが絶妙に並べられ、ゆったりとした時間のなかでスインギーなジャズの醍醐味を味わうことができる。

例によって硬質だがスインギーなバリー、伸びやかなサム、地味だけれど堅実にサポートするアランのトリオもじつに味わい深い。

音源がミューズ・レーベルに移ってからはレコードでもCDでも国内盤が出ていたし、数年前には紙ジャケもリリースされたが、しばらくまえに廃盤になっているようだ。
なるべくはやく再発してほしいものだ。

SONNY STITT : Tune-Up!


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コメント 8

M54

遼さんこんにちわ。
スティットのこの盤、僕も結構好きで愛聴してます。  たぶんオリジナル盤だと思います。 音も勢いがあっていいです。
先ずジャケットがいいですよね~ハードバップの残り火を灯すように火をつけるスティットの横顔がなんともいいじゃありませんか。
内容も遼さんの解説通りでアルトもテナーも楽しめるし、選曲も肩のこらないものばかりですね。  ジャスト・フレンズも入ってますね。 これも好きな曲!
今夜あたりまた聴きたいと思います。  
by M54 (2006-10-26 09:13) 

路傍の石

ソニー・スティットは拙も結構好きです。

最初に聴いたのはビバップ期の名盤『STITT,POWELL,JJ』です。硬質でスリリングなプレイに圧倒されました。

その後はヴァーヴにメロディアスなワン・ホーンものがあったり、
60年代になるとソウル・ジャズがあったりで、
自分では何を持っていたかタイトルも何も思い出せませんが(長いことレコード棚の奥で眠ってます)、
中庸路線の人なので時代によって趣もガラリと違いますが、
それでいながらスウィング感が抜群の人なので
やっぱりいいプレイヤーですよね。
by 路傍の石 (2006-10-26 12:48) 

parlophone

M54さん、こんばんは~。

>スティットのこの盤、僕も結構好きで愛聴してます

そうですか~^^
スティットの作品のなかでは目立たない作品なのに、同好の士がいてうれしいです。

>たぶんオリジナル盤だと思います

なんと、なんと!
じつはオリジナルのカタログ・ナンバーがわからなくて困っていたのです。
もしよろしかったら、M54さんがお持ちの盤のカタログ・ナンバーを教えていただけないでしょうか?
よろしくお願いいたしますm(_ _)m

>先ずジャケットがいいですよね~

ほんとですよね。
渋い!
ぼくもこのジャケット大好きです。
オリジナル盤は音もいいですか!
そして演奏も爽快で、いうことなしですね~。
by parlophone (2006-10-26 21:07) 

parlophone

路傍さん、どうもです!

>60年代になるとソウル・ジャズがあったりで

そうなんですか!?
それは知りませんでした。
ルー・ドナルドソンあたりの路線を狙ったのかな?

>中庸路線の人…ながらスウィング感が抜群の人なので

ペッパー、マクリーン、ウッズなどの(当時としては)若手の白人たちの陰に隠れてしまって割を食ったところはあると思いますが、いいプレイヤーですよね。
もっと評価されていいジャズマンだと思うのですが…^^
by parlophone (2006-10-26 21:11) 

M54

遼さんこんばんは。
カタログ・ナンバーとはレコードナンバーで宜しいのでしょうか?
CST9013 とありますが・・ジャケットの裏面にはCOBBLESTONE 9013とあります。 レーベルにもCST 9013 とあります。 
こうやって問われると、自信がないのですが・・(苦笑)
オリジナリティーには自信ない僕です・・が、これは内容はバッチリですね(笑)
by M54 (2006-10-27 19:43) 

parlophone

M54さん、ありがとうございます!

>CST9013 とありますが・・ジャケットの裏面にはCOBBLESTONE 9013とあります

まさにそれです!
ありがとうございました。
メイン・サイトの「JAZZの愛聴盤」のコーナーで、M54さんのお名前を記して感謝の意を表しました。

インデックス・ページ
http://parlophone.fc2web.com/JAZZ/idx.html
からSonny Stittの『Tune-Up!』の項をクリックしてご確認いただけると幸いです^^
by parlophone (2006-10-28 01:19) 

M54

遼さん、こんばんは。
有難うございます。  身に余る光栄です。  
お詫び、Mとしてコメントしましたのは私M54す。 ごめんなさい。
音楽は人生です。  ダハハー !
by M54 (2006-10-28 22:53) 

parlophone

M54さん、わざわざコメントありがとうございます。
こちらこそ、貴重な情報を教えていただきありがとうございました。

>Mとしてコメントしましたのは私M54です

もちろんわかっておりましたよ^^
by parlophone (2006-10-29 00:14) 

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