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『ストーンズ・イン・ザ・パーク』 [STONES]

7月5日にリリースされたストーンズの『ハイド・パーク・コンサート』のDVDをレンタルで見てみた。
ご存知のようにブライアン・ジョーンズが2日前に亡くなったために、急遽追悼コンサートになってしまった69年7月5日のハイド・パークにおけるライヴのドキュメンタリー・フィルムである。
(発売日をあわせてあったのね…ニクイ)

   

ぼくは当時NHKで放映されたこの映像をリアル・タイムで見ていて、それ以来なのでおよそ37年ぶりの再見ということになる。
はっきりは覚えていないが、そのときのものは30分程度のダイジェスト版だったような気がする。
今回のように3つのパートに分かれていたという記憶がないのだ。

いずれにしても当時は初めて見る「動くストーンズ」だったのでそれだけで感動したものだが、演奏自体はずいぶん荒っぽいなあと感じたものだ。
その印象は今回見直してみても変わらなかった(笑)。
まだまだ新メンバーのミック・テイラーとのコラボレイションがうまくいっていず、あちこちで演奏の破綻が見え隠れする。

   

しかしさすがストーンズ、とくにミック・ジャガーがそれをうまくフォローしていくあたりは(バンドをやっている人間としては)別の意味でなかなか見ごたえがある。

   
   (キースがギブソンのES-330を抱えているのはめずらしいような気がする)

当日集まった聴衆は25万とも言われていて、ブルーズ・ブレイカーズで活躍していたとはいえ、ミック・テイラーにはずいぶんプレッシャーになったデビュー・ライヴだっただろう。

ハイライトは「Honky Tonk Women」から「Love in Vain」、そしてラストの「Sympathy for the Devil」へとつづいていくところだろう。
演奏もタイトだし、キースのソロも悪くない。
そしてとくに「Love in Vain」におけるテイラーのスライド・ソロがすばらしい。

   
   (ビグズビーつきのレス・ポールでスライドを決めるテイラー)

さて、スターであるヴォーカリストばかりを追っかける当時のロック・フィルムの編集は、いつ見ても腹立たしいものだが、それにしてもこのフィルムはひどい。

   
   (へんてこな踊りを踊る女性よりも明らかに出番の少ないビル…涙)

全体が3つのパートに分かれている、その意図もよくわからないが、たとえば「I'm Free」で、間奏のギター・ソロになるとミック・ジャガーのインタビューの声が入るのだ!

極めつけは「Street Fighting Man」。
全編を通してみても「Street Fighting Man」を聴いた記憶がないので、チャプター・リストで選んで再生してみると、イントロにヘルス・エンジェルスの映像がかぶさってナレーションが入り、いつのまにか音楽は消えていて、ロンドンの街角のモッズだかヒッピーだかの愚にもつかない話があって終わり。

もちろん前述のミック・テイラーのスライド・ソロでも写るのはミック・ジャガーと聴衆の顔ばかりだ。

ええかげんにしろっっっ!!

   
   (チャーリーはそれでもまだよく映っているほうでしょうか…)

画像はリマスターされていて、約40年前の映像としては鮮明なほうだろう。
最後には会場をあとにするポールの姿も捉えられている。

   

オフステージのようすも収録されていて、歴史的にもなかなか貴重なフィルムではあるが、音源を持っていれば映像で見る必要はないというのが正直な感想だった。


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コメント 14

lonehawk

遼さん、コメントとTBありがとうございました。
こちらからもTBさせて頂きましたので、宜しくお願い致します。

このコンサートの歴史的な意義はともかくとして、ご指摘のように編集もカメラアングルも(ついでにストーンズの演奏自体も)かなり粗いですね。
かえってこれまで手付かずだった未発表映像の方が色々と楽しめました。
(ワタシの場合は元々DVD購入の動機もコッチがメインだったし)
ただ色々と注文を付けつつも、ストーンズファンとしては絶対に欠かすことの出来ない映像であることだけは間違いないんですけどね。
by lonehawk (2006-09-10 01:17) 

TETSU+ PC2

おはようございます!
私は先月?だったか・・・BSで放送していたので見ました。実はその頃このライブがDVDで発売されるという事で購入予定でしたがBSで見てしまったので買う気が失せてしまったので買いませんでした・・・(観てしまったら駄目ですね。)
なんてミックを始めみんな若いのでしょう・・・良くも悪くも当時らしい映像で楽しめましたね。
それにしてもミック・テイラーの初々しいこと・・・不良のなかに美少年がひとり拉致されているような・・・(言い過ぎか・・・)
そういえば今週、待望のFREEのDVDが発売させますね!
当時のTV出演時の映像や今回目玉ともいえる【ワイト島フェスティヴァル】出演時のものなど期待は大ですね。(予約しました)
早く観たいものです。遼さんも勿論!?予約してますか~初回盤は限定でデジパック+シリアルNO付のようです・・・あ~あ待ちどうしいぃ~
by TETSU+ PC2 (2006-09-10 09:50) 

V.J.

遼さん。
これをリアルタイムの放送でご覧になられているのですかぁ…
やっぱり凄いなぁ~

>音源を持っていれば映像で見る必要はない
STONESには厳しいっすね(笑)
でも、音源はブートでしか出てないですから。これ。
当然、ブートも持っていますが。
僕は、以前のDVDもNHKで何度も再放送されているビデオも持っていますが、当然買いましたよ♪
個人的には、リマスターされればバカみたいに同じCDを何枚も買う感覚と同じです。

で、演奏もメタメタですが、やっぱり、69年の音源に関してはですね、テイラーとのアンサンブルが完成されていないからこそ?意識的にペースを落とした演奏から、STONESの長いLIVEの歴史から見ても、黒いグルーブを感じてしますのですよ。僕は。
その記念すべき最初の音源ですから、当然、マストです。
演奏力云々を言うバンドではないので、全く1ミクロンもこれでOKです(笑)

こっから始まり、ゲット・ヤーヤーに続き、ギミー・シェルターで終わるこの年のLIVEって事の意義は大きすぎる程大きいです。

僕は、正直、テイラー全盛期の72年のツアーよりも69年の音源の方がすきな位です(笑)
なので、これ、演奏のダメさも含め、ダイスキなのです。

P.S. ステージ袖で、このLIVEの前座だったK.クリムゾンのR.フリップ氏が見ている姿が映っているそうですよ(笑)
また、チャーリーの緑の服に、冒頭のちょうちょが、草と間違えたのか、LIVEの間中、止まっています。

と、どーでも良い見所もあります(爆)
長文失礼いたしましたぁ。
by V.J. (2006-09-10 11:49) 

parlophone

lonehawkさん、さっそくトラバ&コメント、ありがとうございました。

>これまで手付かずだった未発表映像の方が色々と楽しめました

じつは、ボートラに入ろうとしてMENU画面であれこれいじってみたんですが、ふつうのソングリスト(チャプター)しかないんですよ。
ひょっとしたらレンタルDVDにはこの特典映像がついてない?(-_-メ)

avex もセコイことやるなあ~。
やっぱりセルDVD買わせるつもりなんですかね~(笑。
by parlophone (2006-09-10 12:32) 

parlophone

TETSU+ PC2さん、どうもです。

>それにしてもミック・テイラーの初々しいこと・・・
>不良のなかに美少年がひとり拉致されているような・・・(言い過ぎか・・・)

いやいや、たしかにテイラーは20歳ぐらいですからね。
ミックやキースもまだ25、6だと思うけれど、ひとりだけやけに美少年ですよね~(笑。

>今週、待望のFREEのDVDが発売させますね!
>遼さんも勿論!?予約してますか~

は~い、シリアルつきの限定盤のほうをしっかり予約してあります^^
でも届くのはマイルズの紙ジャケといっしょなので27、8日ぐらいかなあ(爆。

ところでぼくは90年にビデオアーツから出たFreeのレーザー・ディスクを持ってるんですよね。
そこに70年のワイト島のライヴが収録されています。
当日の映像は18分、3曲分しか残っていないといわれていて、「Mr.Big」、「Be My Friend」、「All Right Now」の3曲をやってるんですが、これはもうほんとうにすばらしいパフォーマンスです。

今回のDVDは残りの7曲をオーディオ・トラックで収録ということで、残念ですが、ほんとうに映像は残されていないのでしょうね…(涙。

それ以外にもスタジオ・ライヴの「The Stealer」なんかもすごくいい演奏なので、楽しみですね~^^
by parlophone (2006-09-10 12:52) 

parlophone

V.J.さん、どうもです。

>これをリアルタイムの放送でご覧になられているのですかぁ…

は~い(笑。
当時はビートルズよりも断然ストーンズ派でしたから、しっかりチェックしましたよぉ^^
で、ぼくは1970年の12月2日に『ゲット・ヤー・ヤー・ヤズ・アウト』を新譜で買ったんですが、その国内盤をターン・テーブルに載せながら、ああ、こうやってレコードかけたら映像が現れるようにならないかなあ~としみじみ思ったんですよ。
当時はまさか10年後にそれが現実になるとは思いもしませんでしたね~。


>意識的にペースを落とした演奏から、…黒いグルーブを感じてしますのですよ

なるほど、それはたしかに感じますね。

>その記念すべき最初の音源ですから、当然、マストです

そうなんですよ。
音源的にはマストだと思います。
ぼくが言いたかったのは、映像を見てるともうやたらとストレスが溜まるんですよね。
なにしろミックと聴衆しか写りませんから。
あと、ヘルス・エンジェルスと訳のわかんないモッズ?ロッカー?ヒッピー?
もっとちゃんとキースを写せと。
テイラーを写せと。
ビルも写せと(ま、少しでいいから…笑)。

だからボク、筋金入りのクラプトン・ファンのつもりですが、フェアウェル・コンサートの映像持ってないです(爆。
見てもストレス溜まるだけですからね~。

ということでDVDから音源だけCD-Rに焼こうかなと(笑。

それにしても「Street Fighting Man」はヒドイよな~。

>R.フリップ氏が見ている姿
>チャーリーの緑の服に、…ちょうちょ

えへへ、ちゃんとチェックしてますよ^^
ありがとうございます!
by parlophone (2006-09-10 13:04) 

MASA

このDVD、すでに購入済みなんですが、観る暇もなく今回の出張に出たため、まだ観てないんです。10月に帰るまで観られません。あー観たいよ〜。
旧版のDVDも持ってますが、カメラ・ワークや編集が昔のセンスであるため、今観ると確かにちょっとイラッとする映像ですね(笑)。カメラの台数も少ないんでしょうね。
演奏の方はあのヘタウマな感じが味があって私は好きです(^ω^)。
by MASA (2006-09-10 21:50) 

parlophone

MASAさん、どうもです。

>カメラ・ワークや編集が昔のセンスであるため、今観ると確かに
>ちょっとイラッとする映像ですね(笑)

イライラのしっ放しです(笑。
演奏はなかなかタイトで好きなんですが、『GET YA YA~』のほうがさらに上を行くかな?という感じですね^^
MASAさんはどちらがお好みですか?
by parlophone (2006-09-11 01:58) 

pink island

 遼さん、こんにちは。

このヴィディオは昔どこかで見たことがあるのですが、V.Jさんご指摘の、最初の方で舞台の袖からロバートフリップがステージを見ているのが、強烈な印象でとしてあります。

HIWATTのアンプ積んでますね。Whoも積んでましたね。
by pink island (2006-09-11 10:01) 

路傍の石

ハイドパークの映像は、拙もあまり評価してなかったんですが、
最近「これこそストーンズのライヴ史のベスト!」という意見を友人から聞いて認識が変わりました。

キースとチャーリーが互いの演奏の呼吸を確かめ合うように
目配せするようなシーンを見るにつけ、
ストーンズ・サウンドが完成していくプロセスを捉えた
貴重なドキュメントであることは認識していたのですが、
あらためて注意深く見ていくと、
そこかしこにすでに完成されたアンサンブルが立ち現れていることに驚きますね。

その最高のシーンが「Mercy,Mercy」で見られます。
チューニングの怪しいキースのギターはここでもぎこちないですが、
チャーリーとバッチリ合った瞬間のカッティングの切れ込みは、
これぞストーンズといった感じです。
ただし、この曲はボートラ、
他には「Stray Cat Blues」「No Expectation」が収録されていて、
いずれも編集前のワンカメの映像です。
また、「No Expectation」のテイラーのスライドには、
その後の神懸り的なニュアンスが垣間見えますね。

> Parlophoneさん
> 今回のDVDは残りの7曲をオーディオ・トラックで収録ということで、残念ですが、ほんとうに映像は残されていないのでしょうね…(涙。

フリーのワイト島はブートでもライン音源が回っていて、
コレクターの間ではマストでしたので、
それがオフィシャルで出るだけでもありがたいです。
それにしても当時のフリーの映像は、
あの時代の異様な熱気が伝わってきて最高ですね。
ポール・ロジャースのハングリーさが凄いです。
その後バッド・カンパニーでブルジョアジーの匂いをプンプンさせるようになってしまったのが
本当に悔やまれます。
by 路傍の石 (2006-09-11 23:24) 

parlophone

pink island さん、どうもです。

The WhoのHIWATTは強烈な印象がありますが、ストーンズも使ってたんですね。

それにしてもピンク・フロイドを前座にしてしまう69年のストーンズってすごいですよね^^
by parlophone (2006-09-12 01:12) 

parlophone

路傍さん、こんばんは~。

>これこそストーンズのライヴ史のベスト!

う~ん、ぼくはやっぱり全体的に演奏のタイトさという点では『GET YA YA ~』のほうが好きだなあ。

>チャーリーとバッチリ合った瞬間のカッティングの切れ込み

なるほどね~。すごい視点ですね!!
それにしてもやはりボートラを見なきゃダメのようですね。
セルDVDを買えってことですかね(笑。

>フリーのワイト島は…コレクターの間ではマスト

そうだったんですね。
フリーはオフィシャル以外まったく知らなかったので(笑。

>あの時代の異様な熱気が伝わってきて最高ですね

ポール・ロジャースだけじゃなく、コゾフはもちろん、サイモン・カークも汗だくの熱演ですからね~。
最高のライヴ・バンドのひとつであることは論を俟たないですね。
by parlophone (2006-09-12 01:33) 

マーク

もっと凄いのリアルタイムでみた。確かあれはNHKの「ヤングミュージックショー」だったと思います。高校生で石投げてた頃、ベンチャーズのてケてケばかりだったのに、騒然のストーンズライブNHKが放映、用心棒のヘルスエンジェルス(ハーレー軍団)がコンサートに割って入ってきて黒人の男性を袋叩き。あのライブ観た夜は興奮して眠れなかった。凄いバンドがいるんだと。

遼さんのDVD同じの私も持ってます。

今、国民の受信料でごちゃまんとお宝映像コンテンツ持ってるNHKに総合で放映するよう(ウッドストック3日間ライブ抜粋(もうDVD出てるけど)
天才ジミヘンライブ、神様クラプトンのクリームライブ、ストーンズ(BBCからエドサリからライブいいの全て)、ビートルズ(エドサリから制服もの、イエローサブマリン以前が個人的には格好いいと思ってます。)

今、アーカイブズ担当プロデューサーと交渉中です。乞うご期待!!宜しくお願い致します。東京のマークでした。
by マーク (2006-10-16 20:21) 

マーク

こっちで以前から要望中のところ、督促したら「既にBSで放映致しました」だとっ!カチンときたので、アーカイブスに繋げろとお願いしたら「カスタマーセンターではそういう直繋ぎは出きません」だと。じゃぁ上司に繋げてくれと、日銀同様に全く変わっていないわNHKさまは、全て、受信料のせいにするが、交際費や有料コールや社宅やら未だに別天地さまでございますこと。

副会長の永井さんとはある件で知った。担当プロの回答次第では永井さんに直訴して実現致します。約束致します。私、高校時代かと思ってたが、ヘルスエンジェルスが黒人を撲殺したのはこの映像かも、とにかくリアルタイムで衝撃的でしたね。
by マーク (2006-10-16 21:25) 

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