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追悼:デューク・ジョーダン [追悼]

asahi.com から記事を引用する。

米ジャズピアニスト、デューク・ジョーダンさん

デューク・ジョーダンさん(ジャズピアニスト)が、ニューヨーク・タイムズのインターネット版などによると、8日死去、84歳。チャーリー・パーカー・グループで演奏し、50年代にニューヨークを中心に活躍。70年代にはチェット・ベイカーらと共演。「フライト・トゥ・デンマーク」などの作品を残した。親日家としても知られ、たびたび来日し、各地で演奏会を開いた。

デューク・ジョーダンの名前を初めて覚えたのはチャーリー・パーカーのアルバムからだった。
1947年10月のダイアル・セッション、メンバーはマイルズ・デイヴィス(tp)、チャーリー・パーカー(as)、ジョーダン(p)、トミー・ポッター(b)、マックス・ローチ(ds)というクインテットで、曲はガーシュインの「Embraceable You」。
2テイク遺されているがいずれもジョーダンのソロはない。
けれどもそのイントロの素晴らしさ。
その抒情性に導かれるようにバードもマイルズもじつに美しいソロを紡いでゆく。

   

さて、今晩はシグナル・レーベルに遺されたリーダー・アルバム、『トリオ・アンド・クインテット』を聴こう。
1955年の録音で、A面はパーシー・ヒースのベースにアート・ブレイキーのドラムスというトリオ、B面はこれにエディー・バートのトロンボーンとセシル・ペインのバリトン・サックスというメンツで、こちらのほうは地味なことこの上ない(笑)。

ぼくのお気に入りはやはりトリオのほうだが、冒頭の自作曲「Forecast」の軽快な愛らしさ、2曲め、これもオリジナルの「Sultry Eye」の美しいバラード、そしてとくに素晴らしいのが3曲めの「私からは奪えない They Can't Take That Away from Me」だ。
ブレイキーの絶妙なバッキングに乗って、スインギーかつ流麗なソロが流れるように湧き出てくる。

まったくジャズでは食えない時期も長く、一時はタクシーの運転手をしていたこともあるというジョーダンだが、1973年にデンマークのレーベルSteeple Chaseに「再発見」されて『FLIGHT TO DENMARK』で復活してからの活躍はジャズ・ファンの方ならご存知だろう。
その後は追悼記事にもあったようにたびたび来日し、福岡でのコンサートは2枚組のアルバムにもなったが、このときにはぼくも客席にいた(笑)。

とにかくソロのアドリブがそのままひとつの曲になってしまいそうなメロディアスな美しさはジョーダンの特質だ。
心からご冥福をお祈りしたい。

追記 ブルー・ノートの名盤『FLIGHT TO JORDAN』は邦題『フライト・トゥ・ジョーダン』でまちがいではないのだが、ここはやはり『フライト・トゥ・ヨルダン』としたいところ。
いうまでもなく姓「ジョーダン」と国名「ヨルダン」のダブル・ミーニングになっている。
復帰第1作『FLIGHT TO DENMARK』から考えても国名じゃなきゃ整合性に欠けるのだ。


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コメント 4

nowatts

そうですか、なくなられたんですね。この人はなんとなく見るチャンスがなかったので残念です。わたしはやはりBN盤(ヨルダンだったとは!考えもしませんでした)が好きですね。STEEPLEの一連の作もいいですが、CDはどうも音がしょぼい気がしてあんまり聴く気がしません。
by nowatts (2006-08-18 11:58) 

V.J.

遼さん。
今年は、JAZZ界もROCK界も次々と訃報が…
例年以上に多い気がするのは気のせいでしょうか。

この記事を拝読して、久しぶりに、BNのフライト・トゥ・ジョーダン(ヨルダンとは今まで1ミクロンも気付きませんでした)を引っ張り出して今聴いています。

合掌。。。
by V.J. (2006-08-18 16:50) 

parlophone

nowattsさん、どうもです。
ブルーノート盤はやはり名盤ですね。
ブルーを基調にしたジャケットもかっこいいし(笑。

>STEEPLEの一連の作もいいですが、CDはどうも音がしょぼい気がして

たしかにSteeple Chaseは、もともとのアナログ盤がけっこういい音でしたね。
ニールス・へニング・オルステッド・ペデルセンの驚異的なベースを知ったのもSteeple Chaseでしたが、あのアナログの音があったからこそ、という感じがします^^
by parlophone (2006-08-18 22:10) 

parlophone

V.J.さん、たしかにJAZZ、ROCKの人材が次々に鬼籍に入っていくような気がします。
デューク・ジョーダンのばあい84歳だから、天寿を全うしたといえるでしょうけどね。
シド・バレットのときはやはりショックでした…。
by parlophone (2006-08-18 22:14) 

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