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イアン・ハンター 『流浪者』-モットの世界 番外編 [ブリティッシュ・ロック]

モット・ザ・フープルのアルバム群をはじめて聴いたぼくが、イアン・ハンターのソロ・アルバムを買ったのは、一にも二にも「紙ジャケ探検隊」の記事を読んだからだ。
その一部をここに紹介させていただく。

まぁなにしろ全編、昇り調子のジャコ・パストリアスのベースが
歌いまくってます。ハンターが歌わない分歌ってるというか。
『ゴッド』ではジャコのギターまで聴けますから、どっちかって
いうとジャコ・ファン必携です

白眉は『傷心のハイウェイ』で、ジャコのベースの上で、デビッ
ド・サンボーンのアルト・サックスが飛翔した次の瞬間、あの
クィーンの聖歌隊コーラスが鳴り渡るわけです。フレディ、ブラ
イアン、ロジャーです、はい。こりゃ一体なんでしょ?ってゆう
くらい豪華です


                   →紙ジャケ探検隊の特集はここ。(UPDATE 2006/7/15)

   

これにつけ加えることはほとんどないと言ってよい(笑)。
でもそれじゃあんまりだから少しだけ補足をしておくと、アルバム『流浪者 All American Alien Boy』は1976年4月にリリースされた2枚めのソロ・アルバムで、ミック・ロンソンの不参加が残念(当時ミックはディランのローリング・サンダー・レヴューに参加)だが、ジャコの参加が限りなくその価値を高めている作品だ。

オープニングは流れるようなキーボードの旋律に乗って、けだるいイアンのヴォーカルが聞こえた瞬間に、これは名曲だと確信してしまうような見事な作品。
ジャコは全編でベースを担当していて、表題曲のM-2「流浪者」ですばらしいベース・ソロが聴ける。
ジャコのベースを聞いたことがないという人はほとんどいないと思うが、フレットレスにしたフェンダーのジャズベから紡ぎ出される、こぼれた宝石のような音の連なりは、初めて聴くとベースとはとても思えないものだ。
この曲はデイヴィッド・サンボーンのサックスにイアンのヴォーカル、ジェリー・ウィームズのギター、ゴスペル調のソウルフルですばらしい女声コーラス、ジャコのベースが渾然となった7分を超える大作で、じつに見事な構成を持った曲。
16歳のころ片思いだった彼女の名をそのままタイトルにしたM-3IRENE WILDE」はピアノの弾き語りによる珠玉のバラードだ。
M-7APATHY 83」はベースが曲全体を展開させていくじつに魅力的な作品で、クリス・ステイントンのオルガンとドミニク・コーテスのアコーディオンがペーソス溢れるオブリガードを聞かせてくれる。
オリジナル・アルバムでは最後にあたるM-8GOD TAKE1」はイアンが本気でディランのまねをしたという1曲で、ジャコのアコースティック・ギターと、イアンの訥々としたヴォーカルが静かな感動を呼ぶ。  

ボーナス・トラックは「流浪者」のシングル・ヴァージョン、「APATHY 83」のアウト・テイク、「GOD」のアウト・テイク(アーリー・ヴァージョン)など6曲。

   

紙ジャケはコーティングのないシングル・スリーヴで、歌詞のプリントされたインサート、インナーバッグを復刻したものに、16ページの英文カラー・ブックレットが付属する。


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コメント 4

紙ジャケ探検隊

リンクしていただき、ありがとうございます!

あんな文章を読んで買った人が気に入らなかった
らどうしよう・・とか日頃ちょっとビクビクしな
がら書いているのですが(小心者)

遼さんも楽しんでいただけたようで、ホッとし
ました!
今後ともよろしくお願いします!
by 紙ジャケ探検隊 (2006-07-28 01:31) 

parlophone

探検隊さん、わざわざコメントありがとうございます!

>あんな文章を読んで買った人が気に入らなかった
>らどうしよう

必要にして十分な紹介の文章でした。
おかげでじつに味わいのあるすばらしいアルバムをまた1枚見つけることができました。

こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします^^
by parlophone (2006-07-28 20:54) 

lonehawk

遼さん、こんにちは。
ワタシもイアン・ハンターのソロ作品について記事を書きましたので、TBさせていただきました。
このアルバムは今回の紙ジャケ化をキッカケにはじめて聴きましたが、ゲストミュージシャンのプレイやイアンの詩の世界などをじっくりと堪能することができました。
もっと評判になってもいい作品だと思うのですが、どうやらそれほどでもないようなのが残念です。
by lonehawk (2006-07-30 10:13) 

parlophone

lonehawkさん、コメント&トラバありがとうございました!
こちらからもトラバさせていただきますね。
ぼくはまだ歌詞のほうは読んでないので、これからじっくり聞いてみたいと思いますが 、じつにいいアルバムですよね。
もっと多くの人に聴いてもらいたいとぼくも思いますねえ!
by parlophone (2006-07-30 22:27) 

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