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レイ・ブライアント 『CON ALMA』 [JAZZの愛聴盤]

JAZZの愛聴盤」のアーカイヴをまとめていて自分でもびっくりしたのはピアノ・トリオが1枚もなかったことだ。
わが国にはとくにジャズ・ピアノのファンが多くて、ぼく自身も「ピアノ・トリオ大好き!」と思っていたので、これはほんとうに意外だった。
自分で思っている以上に管が好きなんだなあ……。

さて、ということで今回は初のピアノ・トリオ盤のご紹介です。
記念すべき1枚めはこれっ!

レイ・ブライアントには『ray bryant trio』(prestige 7098)という大名盤があって、ぼくも出だしの「Golden Earrings」から大好きなのだが、例によって変化球勝負のこのコーナー、コロンビアの『コン・アルマ』をご紹介しよう。
ぼくがこのアルバムで特に好きなのがA面1曲めの「Con Alma」とB面1曲めの「Cubano Chant」だ。
じつはこの2曲、共通点がある。
A-1はディジー・ガレスピーの、B-1はブライアント自身のオリジナルだが、両方とも軽やかなラテンのリズムで演奏される。
ドラムを叩いているのはミッキー・ロカーだが、彼の叩き出すリズムがほんとうに心地よい。
けっして難しいことをやっているのではないが、リムを叩いたりブラシを小気味よく繰り出して演奏を盛り上げている。
もう一つの共通点は(じつはこちらのほうが大きいのだが)、いずれも曲の出だし(イントロまたはテーマ)のリフをピアノとベースがユニゾンで奏でるのだ。
ぼくは初めてこのアルバムを聴いたとき(19歳ぐらい?)から、このユニゾンでゾクゾクっとしてしまって、以来愛聴盤である。
とくに「Cubano Chant」は哀愁漂うメロディーといい、ロカーのドラムといい、ブライアントのアーシーなアドリブといい名演だ。

ほかの曲は例を挙げると、マイルズの「Milestones」、モンクの「'Round Midnight」、ジョゼフ・コスマの「枯葉」、エリントンの「C Jam Blues」など、いわゆるジャズのスタンダードが多く、ちょっとアクの強いところもあってみんな名演というわけではないのだが、とにかくこの2曲を聴きたくてよくターンテーブルに載せることの多いアルバムだ。

RAY BRYANT TRIO "CON ALMA"
COLUMBIA CL 1633





本編のサイトMUSIC & MOVIESの「JAZZの愛聴盤」のコーナーはこちらからどうぞ。


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コメント 6

bassclef

おおっ、レイ・ブライアント!渋いですね、parlophoneさん。ブライアントって、
いい曲のテーマの解釈が、いつも、さらっとしててコ気味よくて印象的ですよね。この盤、だいぶ前に、CBSソニーが出した1500円盤で入手しました。僕も「コン・アルマ」聴くと・・・思わず「いい曲だなあ・・・」とつぶやいたりします。
by bassclef (2005-08-10 09:17) 

parlophone

bassclefさん、どうもです。
>ブライアントって、いい曲のテーマの解釈が、いつも、さらっとしててコ気味よくて印象的ですよね。
なるほど、そうですね!
アドリブになるとけっこうコッテリしたソロなんかもでてきますが、確かにテーマの解釈はさらっとしてるなあ。
言われてみて気がつきました^^
by parlophone (2005-08-10 19:49) 

はるか

プレスティッジ盤の「レイ・ブライアント・トリオ」とほぼ互角の出来だとおもいます。タイトル曲の「コン・アルマ」はもうノリノリですの。サイドのミッキー・ロッカーのドラミングもすごい!
どの曲もいいけど、「クバノ・チャント」はシブいですね。レイ・ブライアントの持つリズミックな面が強調されたアルバムだと思います。
by はるか (2006-04-13 10:31) 

parlophone

はるかさん、こんばんは。
こちらでは「初めまして」でしょうか。
間違っていたらごめんなさい。

>プレスティッジ盤の「レイ・ブライアント・トリオ」とほぼ互角の出来だとおもいます。

おお、それは高評価ですね!

>レイ・ブライアントの持つリズミックな面が強調されたアルバムだと思います。

なるほど、そういう観点があったのですね!
今度そのあたりに注目して聴きなおしてみたいと思います。

ミッキー・ロカーも最高ですね。
また遊びにいらしてくださいね。
by parlophone (2006-04-13 23:19) 

マーク

遼さんのブログに刺激されてJAZZのCDを再チェック。

ナイト・クルージング・ドライブにはファンキーな以下

Tom Scott Night Creation 昔のシャカタクみたい。(あの頃は
キャステルやラジャコートで毎週金曜日は遊んでました。)

お洒落な夜には、

DAVE GRUSIN の the fabulous baker boys  original motion pictures soundtrack

変わったとこは以上でした。いいでした。コルトレーン、エバンス、ドリス・ディ、ズート・シムズが個人的には好みのマークでした。ご参考まで。

あとはファンクやらボッサノバやらカンツオーネやら手当たり次第。特に黒人R&Bボビーウーマック、ジェームズブラウン始めぐっちゃぐっちゃにコレクトしてあります。遼さん、宜しくお願い致します。東京在住です。
by マーク (2006-10-16 18:52) 

parlophone

デイヴ・グルーシンは一時期 『恋の行方 ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』や『恋におちて』など、いい映画音楽を書いてましたね~。
ぼくも好きでしたよ。
by parlophone (2006-10-16 23:15) 

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